

BARFってなに?(名前の由来)
今メインになっている市販のフードが登場する前、おうちにいる犬猫さんは、
おうちの残り物をもらったり、外で自分で狩をしてたりして、いろんなものを食べていました。
特にヨーロッパでは (わたしが今住んでいるスイスなどのドイツ語圏では)、
地域に必ず肉屋さんがあってお肉屋さんが人間用に動物さんを屠ったり、
農家の方が自分のおうちの動物たちを、自分たちや他の村の人のために屠ったりしていました。現代より、命は比較的身近にありました。
そして、いただいた命はあますところなくありがたくいただくというのが基本でした。
もちろん冷蔵庫もない時代です。
そして、おうちの犬猫さんは、
人間が食べられないところやものをもらって食べたりしていました。
例えば、骨や内臓や、硬すぎるお肉の切り落としなどです。人間の食事の残り物は、ゴミ箱へ捨てるのではなく、犬さんや豚さんのごはんになったりしていました。
また、今より、もっと犬猫さんには自由があったので、
自分で何かを探したり、狩りをしたりもしていました。
実は、今の市販フードのように、「完全栄養食」(これと水さえあれば生きていけますよ、というごはん)、犬猫さんの専用フードというものは、比較的歴史の浅いものなのです。
近年になって、原点回帰というか、
市販フードではなく、おうちの犬猫さんに、
生の骨付き肉や、内臓などをあげようという方々が同じように英語圏にも現れました。


その方たちのことを、最初は
Born-Again Raw Feeders (訳:生食を供する再誕した人たち) と呼んでいたそうです。
その後、1993年には、オーストラリアの獣医である Ian Billinghurst (イアン ビリングハースト) さんが
その著書 Give Your Dog A Bone (訳:あなたの犬に骨をあげよう) を世に送り出しました。
彼の考え方は、
Biologically Appropriate Raw Food (訳:生物的種に適した生食)” という意味、
つまり、
犬さんは基本的に雑食できる肉食動物さんであり、狼さんとは違うが、
彼らの体は長い間、こういった獲物動物さんに近い、お肉や、骨、内臓などをメインでさらに人間との関わりからの食性の変化、つまり、犬さんと人間との繋がりによって、進化してきた
今の体の作りにあったごはんが、犬さんに一番適しているという考え方を今も広めていらっしゃいます。
この進化と食性、体の作りをかんがみたとき、第二次世界大戦後に広まった、
犬猫さんの体に合わない現代のフードにより、
犬猫さんの健康が損なわれているともおっしゃっています。
現代のフードに犬猫さんの体が追いつくには、時間が短すぎて、あっていないとおっしゃっています。
わたしがご教授いただいた、ドイツ生まれ、アメリカ育ちのSwanie Simon (スワニー サイモン/シモン) 先生は、
ドイツ語圏にこの考え方を再度広められ、ドイツ語でも
Biologisch Artegerechtes Rohes Futter (訳:生物的種に適した生食) と呼ばれています。
というわけで、
この頭文字をとって、生のお肉や内臓、骨付き肉をメインにし、獲物動物を再現した
手作りごはんの組み立て方のことを、
”BARF”と呼んでいます。
犬さんが大きな骨を加えているイメージ、猫さまがお魚をくわえて走っていくイメージ、今でもありますよね。
ドイツ語圏のBARF


先ほど少し書いた通り、
わたしの恩師 Swanie Simon (スワニー サイモン/シモン) 先生が、
ドイツで広められた犬猫さんのごはんの組み立て方のコンセプトですが、
現在ではさらなる進化をとげています。
犬猫さんの栄養学や解剖学、病理学などもどんどん取り入れられたものになっているのです。
つまり、昔からの手作りごはんというだけでもない、
科学的な見地も取り入れた、良いところどりのような、手作りごはんの組み立て方になっています。
ところで、BARFというごはんの組み立て方は、
実は英語圏とドイツ語圏では、若干違う場合がありますが、
どちらも基本は同じです。
つまり
生のお肉 (骨格筋肉やその他、動物さんの胃などの結合組織)
生の内臓 (レバーや腎臓など)
生の骨付き肉 がメインです。
そこに若干のお野菜や果物など、
場合によっては乳製品などが加わったりします。
Swanie先生のあとに続く、たくさんの先生方が今はいらっしゃいますし、
日々新しい情報など、どんどん取り入れて、
アップデートされているそんなごはんの組み立て方のひとつとなっています。
ドイツ語圏のBARFは今もとっても進化しつづけているごはんの組み立て方で、
わたし個人は学んで本当に素晴らしいなあ、
日本のみなさんにもぜひお伝えしたいなあと思ったこと、
これが今のコンサルタントのお仕事を始める一つの発端となっています。
絶対に「生のお肉ごはん」でないといけないのか?


いえいえ、確かに、BA『R』Fというならば、
「生の」ということになりますが、わたしが学んだごはんの組み立て方は、
生食だけではありません。
つまり、生食=犬猫さんの体のつくりにあった食事はもちろんベースにありますが、
ごはんは 個人個人にあっている必要があります。
ですので、
加熱食もしっかりとサポートさせていただきますので、
ご安心ください。